私が子どもの頃、愛媛のおばあちゃん(父の母)が年末になるとお正月用に愛媛の宇和島産のみかんを毎年送ってくれていた。おばあちゃんは、みかんは太陽と潮風を受けて育った宇和島産が一番おいしいと言っていた。子どもの私は純粋に「そうなんだ」と思っていた。
とっても甘くて、味が凝縮されていて、重さのあるみかんだったのを覚えている。
私が結婚してからも実家にみかんが届くと取りに行っていた。
毎年、年末にみかんを取りに行くのが私の年末年始の恒例行事だった。
夏には、おばあちゃんが作ったじゃがいも、たまねぎが毎年届いていた。
でもいつしか、みかんも、じゃがいもも、たまねぎも届かなくなっていた。
しばらくしておばあちゃんが亡くなった。
大人になってスーパーで買うみかんは必ず愛媛産を買っていた。でも、私の行くスーパーでは、宇和島産には中々出会えない。おばあちゃんが送ってくれていたみかんに匹敵するみかんはこれまでなかった。
年末に、ネットサーフィンをしていたら、愛媛の西宇和産みかんが目にとまった。
買ってみようと思い、ポチった。
先ほど届いて食べてみた。おばあちゃんが送ってくれていたみかんと同じ味だった。
おいしかった。
みかんのへたが小さくて薄緑で形も重さも冷たさも、あの日あの時のみかんと同じだった。
弟に「みかんを取りに来な…」とメールした。
弟と父が懐かしく思い、美味しく食べてくれたらうれしいな…。
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